キリン先生の教育ブログ

小学校教員の業務の中で考えていることなんかをダラダラ書いてます。。教員を目指す人にも、保護者にも、全く教育業界を知らない人にも、立ち止まって考えてもらえたらと思います。

食の楽しみを問う「モグモグタイム」の是非

謎の習慣「モグモグタイム」とは?

給食中の「もぐもぐタイム」は是か非か “食べる”プレッシャー感じる子も…(オトナンサー) 皆さんは「もぐもぐタイム」と聞いて何を…|dメニューニュース(NTTドコモ


給食中の「もぐもぐタイム」は是か非か “食べる”プレッシャー感じる子も…(オトナンサー) 皆さんは「もぐもぐタイム」と聞いて何を…|dメニューニュース(NTTドコモ)

 

小学校での給食に「モグモグタイム」なるものを設定している学級がある。

リンクを読んでいただければわかると思うが、モグモグタイムとは「黙って食べる事に集中する時間」である。

高学年になると、そんなことを設定していることは少ないが、低・中学年だとよく聞く話だ。

 

給食時間をスムーズに終わらせたい教師

モグモグタイム設定の理由としては、

食べる事に集中して咀嚼をしっかりさせるだとか、給食を味わう時間をつくるだとか、

まぁそんなところだ。

 

まぁそんなのは、ほとんどが教師の「建前」で、

本音は「スムーズに給食時間を進める」ことにあるのだろう。

 

たしかに給食の指導はたいへんだ。

特に低学年のうちはなおさら。

 

7歳や8歳の子どもを30人近く食事をさせるわけだ。

しかも食べるだけでなく準備からさせなければいけない。

 

教師としては、スムーズに終わらせて自分の仕事をしたいと思うのが普通である。

 

その気持ちはめちゃくちゃわかる。

 

しかし、

黙って一人で、もしかしたら食べたくもないものを、淡々と食べることの何が教育だろうか。

 

教師がやるべきことは、本当に心から感謝して、おいしいものをおいしいと感じさせ、楽しんで食事をすることにあるのではないか。

 

そのためには、もしかしたら残食が大量に出る日もあるだろう。

 

それを食育のチャンスと捉え、残食を見せながら、栄養についてだとか、食料廃棄についてだとか考えさせるべきである。

 

完食は正義?

さらに教師の悪い意識として、

「残食が少ないことが誇れること」だと信じて止まないことだ。

しかも、それを自慢げに話し、周りは素晴らしいと称賛する。

 

本当に子どもたちは、食を味わい感謝して楽しんで完食しているのだろうか。

 

そのような完食(または残食が少ないこと)を自慢げに教師が話している場合、ほとんどは、

教師や児童が「完食すること」だけに目的が向いていることが多い。

 

目の前の完食を目指すのではなく、

10年後20年後に食事を楽しむ豊かな心を育てるのが、目的ではないだろうか。