余った給食を持ち帰る 懲戒処分の高校教諭
大阪府堺市で余った給食を持ち帰っていた教師が懲戒処分となった。以下ライブドアニュース。
4年間余った給食を持ち帰る 懲戒処分の高校教諭「もったいない」 (2019年12月26日掲載) - ライブドアニュース
4年間余った給食を持ち帰る 懲戒処分の高校教諭「もったいない」 (2019年12月26日掲載) - ライブドアニュース
これには賛否両論があり、ロンブーの田村淳さんも
「余った給食を持って帰った高校教諭が減給処分だって…悪い事なのかな?食品ロスが問題になってる昨今…教えるべき事はどうやってロスを無くすかじゃないんですかね?この判断をしてしまった人達の食品ロスに対する意見を聞いてみたい」
とツイッターで疑問を呈している。
ルールの厳格な適応という意味で堺市教育委員会の言い分もわかる。(今回の処分理由は地方公務員法違反ということだが)
給食の当日全処分のルールは衛生上の理由だ。堺市は1996年にO157の集団食中毒があり、亡くなった児童もいて、
「堺市が厳格にしないでどこがするんだ」
そんな思いもなんとなく見え隠れする。
では実際の現場ではどのような反応なのだろうか。
結果から言うと、持ち帰りは何も変わっていない。
現場では以前から「余った」給食の教師による持ち帰りは当たり前だった。そのほとんどがパンや牛乳だ。
理由は大きく2つ。
1つ目は「学校で処分しなければならない」から。
なんだ学校で処分だったら捨てればいいじゃん、と思うかもしれない。
しかし、捨てるにも手間がかかる。1箇所に集めるルールを作り、児童に指導し、誰かがそれをゴミの回収まで管理しなければならない。生ゴミなのでそのまま外に置くわけにはいかない。ポリバケツを大量に購入しても管理する必要がある。
それならば、、、ということで2つ目の理由が、
「もったいないから誰か持って帰りませんか?」
ということである。
これは教師という仕事をしていると当たり前の感覚だろう。
日頃から食育や平和学習をする中で、「食べ物を粗末にするな」といったような指導はしているはずである。
教室で給食を配膳する際にも、配膳で少し余った分を「もっと食べたい」という児童に振り分ける。
それを指導している立場の人間が、目の前で食べ物が大量に捨てられていくのを見過ごせるだろうか。
誰も持って帰った牛乳で食中毒が起こったからといって行政を訴えたりしないだろう。
むしろ、「もったいないから誰か持って帰ってー」と言っているのが現状である。
そして、今回の件の後、現場ではどのようなっているのだろうか。
私の周りの教員に聞いたところ、何も変化がないというところが多く、
一部では、「誰が見たり聞いたりしているかわからないから推奨するような言動を表立ってしない」とか、
「周りに持って帰ることを言わないように」といった確認が行われた学校もあるようだ。
どっちにしろ現場変わらず、グレーのままで現状維持である。
さて、給食を持ち帰る教員が日本中にわんさかいる中で、これから同様の処分は行われるのだろうか。